奥州市の高校を卒業後、県外の大学に進学した鈴木さん。Uターン就職を目指し地元岩手県で就職活動をしました。その中で、大学で学んだ分野に関する仕事をしている現在の職場に出会いました。日々の業務を通し、一人前の技術者を目指し奮闘しています。

 

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Q.どのような仕事をしていますか?

主に、ほ場整備事業に関する仕事をしています。ほ場整備とは、農村の農地や道路、水路などを農家の方が使いやすい形にすることです。その中でも実際に工事をする前の調査、設計などの仕事をしています。調査や設計は専門性が高い仕事で、日々学習しながら仕事に取り組んでいます。自分のアイディアや設計したものが実際に整備され、農村の振興に生かされるため、非常に達成感を感じられる仕事です。

 

Q.現在の会社に入社したきっかけを教えてください。

もともと地元岩手県の役に立つような仕事に就きたいと考えていました。岩手県は東北6県の中でもほ場整備率が低く、また近年では2016(平成28)年の岩泉豪雨災害など大雨による災害も多発し、農地も大きな被害を受けました。そのような中、大学で学んだ農業土木の分野を地元で生かすことができればと考え、就職活動を始めました。就職活動をする中で農業土木という分野を専門としている現在の仕事にひかれ入社しました。

 

Q.実際に入社して感じていることを教えてください。

専門性が高い仕事のため、新人のうちは分からないことが多く苦労しましたが、仕事をやり切ったときの達成感は大きいです。3年間の新人教育プログラムがあり、先輩方から手厚い指導を受けることができるので、最初に感じていた不安もなくなり、スムーズに仕事ができるようになりました。そのほかにも職員研修で宮城県閖上(ゆりあげ)地域への復興状況の視察やダム工事の現場見学、自動車工場の見学などもしました。ドローンやGIS(地理情報システム)などの新しい技術にも力を入れている、おもしろい職場だと感じています。

 

Q.これまでで仕事で印象に残っていることを教えてください。

これまでやってきた仕事の中で印象的なのは「ため池ハザードマップ」の作成に関する業務です。近年、ため池が大雨や地震により決壊したというニュースが珍しいものではなくなってきました。ハザードマップ作成の作業を実際にやってみると、現地をよく知る地域住民の方からの意見など参考になることが多く、ほ場整備の設計では経験できない経験でした。ハザードマップ作成ではさまざまな視点から物事を見る重要性に気づかされました。

 

Q.これからの目標を教えてください。

私はまだまだ駆け出しの新人です。この業界ではさまざまな分野を網羅できる人材が求められています。一つのことにのみ特化するのではなく、上記のハザードマップ業務などさまざまな分野にも対応できる人材になりたいと考えています。与えられた業務ができたからそれで満足するのではなく、より良いものを作り上げる、使う人が使いやすいように設計するといった気持ちを大事にしたいです。

 

インタビュアー:榎本 利憲

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