大阪から大学進学のために岩手に来た稲田さん。岩手県内の大学で地域振興などを勉強し、岩手を住みやすく思い、県内を視野に就職活動を行いました。小売業で5年勤務したのち、縁あって現在の会社に転職しました。調味料開発を通しての地域貢献を目指しています。

 

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Q.どのような仕事をしていますか?

OEM(OEM=発注企業から受託し、その企業の名前やブランドの製品を生産すること)での調味料開発を主に行っています。お客様から依頼を受け、希望に合った商品を提案する仕事です。流れとしては、依頼を受ける→目標となる品(ベンチマーク品)の分析を行う→自社の持つ原料や設備でできるように落とし込む→処方を作成し試作する→お客様と相談し改良等する→見積り→本製造となっています。安定した質で製造可能で、保存性なども担保したうえで、お客様の要望にこたえることを意識しておこなっています。

 

Q.実際に入社して感じていることを教えてください。

自社の魅力としては、お客様の依頼に対してできるだけ応えようとするところや、やりたいことややってみたいことへの挑戦を否定せず、自由にやらせてもらえるところだと感じています。特に、他社ではお断りされてしまったお客様の依頼をなんとか実現しようという雰囲気は、自社の魅力だと考えています。また、仕事を通して商品を製造することや、生産者の方々と協力して対等な立場で仕事を進めることで、地域への貢献ができていると感じます。

 

Q.これまでの仕事で印象に残っていることを教えてください。

入社した年のことですが、岩手町の農家さんから「『いわて春みどり』というキャベツの消費向上のために、ドレッシングをつくれないか」という依頼がありました。私も関わらせていただき、農家さんと市販の商品を味見して方向性を考え、それをもとに試作をしました。その後岩手町や県庁、グルメフェスなどで試食をしてもらいアンケートを取り、商品化にいたりました。携わった方々の団結力がとても強く、短期間のうちに様々な課題を乗り越えて成果を出すという経験をさせていただけたので、今でも印象に残っています。

 

Q.これからの目標を教えてください。

大きな目標とはなりますが、岩手や盛岡、地元に残りたいと思う人が残れるような環境づくりです。特に、経済的な面や就職する場がないことを理由に残れない人も多くいると感じていますので、自社での働きを通して、依頼する方や生産者の方々が利益を得られ、仕事の創出などにつながればと思っています。近い場所からの目標でいうと、まずは自社を大きく成長させることによって、地元の人が働ける環境をつくりだしたいと思っています。

 

Q.盛岡のいいところを教えてください。

盛岡では、中心地であれば基本的には自転車で生活できる範囲でもあり、商業施設などにも困らず、少し足を延ばせば自然にも触れあえるという、ちょうどいい規模感がいいところだと思います。また、盛岡に限らずですが、町もきれいで、子供から大人まで、県内で満足できるほど近場で様々な体験ができることや、食べ物がおいしく、産直などでとても高い品質のものを、お手頃な価格で食べることができることも、良さではないかと感じています。

 

インタビュアー:株式会社浅沼醤油店  小野 透和

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